「あ、やべ」
箪笥の抽斗をガタリと引っ張ったところで、指先が感じた軽さに銀時はマズイ事態に気が付いた。
覗き込めば案の定、中はほとんど空で目当ての着物は一枚も無い。慌てて一段上の抽斗を引くと、馴染みの黒いインナーも見当たらなかった。
ぐるりと首を巡らせれば、狭いベランダにひしめくように揺れている洗濯物が目に入る。いつもの白い着流しも、黒の上下も、夏用の甚平も。
……しまった、ぜんぶ洗っちまった。
銀時はガシガシと後頭部を掻いて肩を竦めた。
お江戸かぶき町は七月の後半に差しかかったところ。梅雨明けから厳しい日差しが降り注ぎ続け、テレビでは連日、結野アナが笑顔で高温注意情報を伝えている。
今朝もじりじりと室温を上げていく陽光に起こされた銀時は、窓の外を見てこれは洗濯日和だと衣類をまとめて洗濯機に突っ込んだ。ここ最近なんだかんだとバタバタして、万事屋では掃除洗濯が滞っていたのだ。
今日は久々に昼まで何も予定がない。神楽はラジオ体操の後に誰それの家に遊びに行くのだと朝早く飛び出していったし、新八は彼の家でも掃除洗濯が滞っているから今日は午前中半休が欲しいと聞いている。要するに今、この家には銀時ひとりだ。ちなみに定春は神楽が連れて行っている。
洗濯機を回しながら手早く簡単な朝食を作って、もそもそと食べてから洗い上がった衣類を干した。普段は新八が気を効かせてくれるから任せてぐうたらしているが、独りであれば銀時はこのぐらいは当たり前にこなすのである。
洗濯物を干し終えて、冷蔵庫の麦茶が切れている事に気付いて沸かす。四角い部屋を丸く掃く要領で掃除機をかけて、しばらくぼんやりテレビを眺めた。
その間にも気温はぐんぐんと上がってきて銀時はげんなりする。今は屋内で扇風機を独り占めしているからまだ過ごせるが、昼からは仕事が入っているのだ。
あーいやだ。行きたくねぇ。外出たくねぇ。
ぶつくさとギリギリまで扇風機前で粘っていた銀時だが、万事屋稼業で依頼をサボるわけにはいかない。いよいよ出かける時刻が迫ってきたところで、重い腰を上げて箪笥の前に立った。
……そして、冒頭に至る、というわけだ。
「え?マジでか?……マジでか……」
ガタガタと箪笥を探った銀時は、幾秒も経たずに肩を落とした。外に着ていけそうな服が本気で一枚も無い。抽斗の中に残されているのはパンツだのステテコだの襦袢だの、所謂下着の類だけだ。
いくらなんでも下着で仕事に行くわけにはいかない。そんな万事屋、自分が依頼主だったら姿を見た瞬間に追い返す。現地集合する事になっている新八や神楽にボコられること請け合いだ。
いつもならばこんな失態はやらかさない。けれども最近、少しばかり大掛かりな事件が続いて、そのせいで銀時は着物を何枚か失っていた。
例えば派手な穴が空いてしまって繕うのが不可能だったり、大胆な血染めの色が落とせなかったり。それでいて仕事ではないものだから必要経費として請求もできない。新しい着物を買う金銭的余裕は皆無で、結果として箪笥の中身が大幅に減っていた、と、そういう事情だった。
やべぇ、どうすっか。銀時はわりと真剣に頭を抱えた。
たとえ部屋着でも、今着ている服で出て行くよりほかに仕方ないんじゃないか……という考えは、甘い。
何故ならば今現在、銀時は半裸だからだ。
洗濯を始める時、寝汗でべとべとになっていた甚平が気持ち悪くて、上だけ脱いで洗濯機に突っ込んでしまった。それから独りなのを良い事にずっと上半身裸で過ごしていたという寸法だ。
甚平の下だけ履いて町を歩くのは、下着姿とあまり変わらないだろう。
困った事になったと頭を掻きながら、銀時はひとまずベランダに出て干してある衣類を検分した。
最悪冬物の衣類を引っ張り出すという手はあるが、それはなるべく避けたい。生乾きでも羽織れるものがあれば、そう思ったのだが、さすがの猛烈な日差しでも今朝干したばかりの衣類はとても着られそうにない。
溜息を吐いたところで、ふと、視界の端を過ったものに銀時は眼下の路に目を落とした。
かぶき町の怪しげな看板が立ち並ぶ路を、見覚えのある男が歩いている。
日射熱をいかにも吸収しそうな黒髪ストレート。この酷暑の中で真っ黒な着物。あの格好という事は、オフだろうか。
(オフになんでこんなとこうろついてんのアイツ)
暑さに少々参っているのか、足取りの重い真選組副長殿を見下ろして目を瞬く。
あの緊張感の薄い後ろ姿を見るに、私服での捜査というわけでもなかろう。休みだというのにこんな気温の中を出歩くとは酔狂なことだ。
……しかし。
ああ、これはラッキーかもしれない。
銀時は脳裏に浮かんだ良い考えに、口角を吊り上げて息を吸い込んだ。
「ふっくちょーさーん」
突如として頭上から降ってきた声に、土方は驚いて目を瞠った。
あまりの暑さにくらくらしていた頭が、声の主を認識した途端にビリリと冴える。
土方がこんな気温の日に徒歩でかぶき町をぶらついていたのは、別に何らかの目的があったわけではない。この町は江戸でも飛び抜けて癖のある人物が多いから、ちょっと散歩がてら見廻っておこうと思っただけだ。
同じ路を何度も往復していたのは最も厄介な人間がこの界隈に住んでいるから特に警戒していただけであって、さりとて偶然そいつを見かけたとしても特に何かするわけでもない。怪しい所業をしていないかちょっと動向を探るだけだ。
そう、それだけ。それだけだ。
胸の内で己に言い聞かせる事、一秒半。
何気ない表情を取り繕って頭上を振り仰いだ土方は、視界に飛び込んできた予想外の光景に、せっかく張り付けた表情を一瞬で取り落とすはめになった。
「な……っんて格好してやがんだ万事屋ァァァ!」
「へ?いや、暑いから。俺が俺んちでどんなカッコしてようが自由だろうが」
大量に吊るされた洗濯物の隙間から身を乗り出している男は、上半身に何も身につけていない。
動揺のあまり思わず全力でツッコんでしまった土方は、さらりと言い返されて咄嗟に言葉に詰まった。
……確かに、猛暑の日に自宅で半裸で過ごすのは、男ならばそう珍しい事ではないかもしれない、が。
(こっちには心の準備ってもんがあんだよボケェェェ!いくら顔見てぇなって思……ってはねーけど!ひょっとしたら鉢合わせちまうかもしんねーなメンドくせーなって思ってただけだけど!会うかもとは思っててもいきなり半裸見せられるとは思わねーだろーがァァァァア!)
心の中で絶叫してから息を整える。
二階のベランダから少々不審そうに見下ろしてくる男をチラチラと見上げながら、土方は忌々しげに口を開いた。
ちなみに正視できないのはこのくそ暑いのにむさくるしい男の半裸など見たくないからであって、他意はない。
「……家ん中ならどんなカッコしてようが文句言わねーけどな、そのままベランダに出てきて人に声かけるんじゃねーよ。つーか、何の用だ」
最後の一言をさり気なく付け加えられた事に安堵する。
そうだ。万事屋の格好に気を取られてうっかり忘れかけていたが、そもそもつい先刻の自分は声をかけられたこと自体に驚いたのだ。かぶき町を歩いていればこの男と偶然、あくまで偶然、会うかもしれないとは思っていたが、向こうから声を掛けられるという事態は予想していなかった。
しかも思い返してみると、先程の万事屋の呼びかけは何だか、随分と好意的だった気がする。いつものように小馬鹿にした響きではなく、至極普通に……いや、むしろ心なしか嬉しそうに、副長さん、と呼ばれた。
だから何というわけではないが、非常に珍しい事だ。
じろり、若干視線を逸らしつつ睨み上げると、銀時はそんな土方の態度に呆れたように肩を竦めてみせた。
「いや、ベランダ出たらたまたまお前が見えたから声かけてみただけだけど。お前今日オフ?ヒマならちょっと上がってかねー?」
「はァ!?」
上がっていく、というのは、自分がこの男の家に、だろうか。
意外すぎる誘いに目を剥いた土方は、唖然として万事屋の顔を見上げた。真意を読み取ろうとしたのだが、男の表情は上機嫌である事が見て取れる程度で他に意図は量れない。
何と応えるべきか。判断がつかずに口を噤むと、万事屋は追い打ちをかけるように言葉を継ぐ。
「外暑いだろ?涼んでけよ。麦茶ぐらい出してやるぜ」
「――――!?」
笑みすら浮かべて言い渡されたその台詞に、土方は目を剥いて思わず三歩ほど後ずさった。
「な、ななな何を企んでやがんだテメェ……!アレか、親切面で招いといて休憩料でもボッたくろうってハラか」
「オイオイ何ですかその反応は?失礼なヤツだなコノヤロー。まあ休憩料は取るけど」
「取るんかいィィ!」
反射的にツッコんでしまってから、逆に落ち着いて土方は溜息を吐く。
なるほど、金稼ぎか。それならば万事屋の誘いにも合点がいくというものだ。奇妙に好意的なのも営業スマイル的なものだろう。なんだ、そうか。
いや別にガッカリとかはしていない。むしろそういう理由があった方が納得できて薄すら寒くない。
ぶつぶつ呟いて一人で頷いている土方には構わぬ様子で、万事屋はニマリとうさんくさいスマイルを浮かべて更にのたまう。
「百円でいいぜ。麦茶代だと思っとけや」
予想したよりも良心的な価格に却って眉を顰めはしたものの。
ギラギラと照り付ける太陽に参っていた身では、二重の誘惑に抗えるわけもなく……って何が二重だよ一重だろ俺は休みたいだけだから、と未だに胸中で悪あがきを続けながら、土方は万事屋の鉄階段へと足を向けたのだった。
「……邪魔すんぞ」
「おー」
ガラリと引戸を開くと、奥から覇気の無い声が応えた。
そのまま框を上がろうとした土方は、ぺたぺたと廊下を歩み寄ってきた男に動揺する。わざわざ出迎えにくる事など当然ないと思っていたのだ。
「お、おま……っ」
「ん?なんだよ」
「いいいいや、べべべ別に?」
「どもりまくってんじゃねーか」
ベランダで見せた格好のまま、すなわち甚平の下だけを履いて上半身に何も身に付けていない姿に思わず目が泳ぐ。サウナや銭湯で鉢合わせた事もあるのだから今更という気もするが、裸で当然の場所とプライベートな空間とでは心持ちが違う。全然違う。
状況に順応できずに彷徨う視線は、それでもチラチラと目の前の身体を観察してしまう。いや他意はなく、戦闘において異様なほどの強さを見せるこの男の筋肉の付き方に興味があるだけだ。武士として。
……流石というべきか、胸板や上腕は見事なものだ。
あれだけ甘味が好きなくせに腹も出ていない。マヨネーズを大量摂取している自分が言うのも何だが、どういう代謝をしているのだろうか。
今日の気温は室内にいても厳しいらしい。白い肌が汗をかいてじっとりと湿っている。
いつも何かしらの厄介な事件に首を突っ込んでいるようだが、今は特に大きな傷は負っていないようだ。
うっかりガン見にならないように注意しながら視線を流していると、不意に万事屋に手を伸ばされて驚いて身を引く。
しまった、過剰反応だったか、不審に思われただろうか。そんな危惧を抱いて身動きをとれなくなった土方には然して構わぬ様子で、万事屋はひょいと土方の袂を手にとった。
「相変わらず真っ黒で暑苦しいと思ったら、紗か。なかなか粋じゃねーの」
「お……おう」
「長襦袢着てんだな」
「当たり前だろうが。襦袢着ずに紗ァ着たらスケスケんなるわ」
「ま、そりゃそうか」
袂から手を離した万事屋は意図の読めない目つきでこちらを上から下まで眺めてから、また手を伸ばす。
今度は着物ではなく、額に触れて前髪を掻き上げた指先に、土方はビクリと肩を跳ね上げて動揺を隠せない声を上げた。
「何す……っ」
「汗、すげーな」
掻き上げた生え際を覗き込むようにして、万事屋は呟く。
鼻先十五センチまで顔を近付けられては、乱暴に手を振り払う事も難しくて、その上。
「オメー髪黒いし、日射し吸収しちまって大変だろ」
労るような声音で苦笑されて、土方の思考回路はショートした。
「シャワー使うか?」
「は」
理解のキャパシティを越えた状況に呆気にとられた土方は、続いて寄越されたあり得ない提案にも、芸のない薄いリアクションしか返せず。
そんな土方の返答を訝しんでいると解したのか、万事屋は気まずそうにガシガシと頭を掻いた。
「あー……ほら、アレだ。プラス百円で」
その『百円』は、さっきの休憩代とは違って、明らかにとってつけた響きを帯びている。
つまりは、金目当てではなくて……なくて……
……じゃあ、なんだ。
訳がわからぬまま腕を引かれて、気付けば土方は背を蹴飛ばされるような形で万事屋の風呂場へと押し込まれていた。
「タオルここ置いとくなー」
脱衣場から掛けられた声に、シャワーを浴びながら土方は肩を跳ねさせる。
……お、おう、と短く応えた声は、おそらく水音に阻まれて戸の向こうには届かなかっただろう。だがこちらの返事など元々待つ気もなかったようで、万事屋の気配はあっさりと去っていった。土方はひとまず安堵の息を吐く。
――しかし。
(オイ、何だよ何なんだよコレ。あり得ねーだろ)
どうして自分は今、万事屋の自宅でシャワーを借りているのだ。
何度自問しても答えは出ない。己に問いかける度、状況の異常さが際立つだけだ。
確かに自分は、暑すぎる外気の中を長時間歩いて結構参っていたし、汗もかいていたからシャワーを浴びられるのは非常にありがたい。この上に冷たい麦茶が飲めるとしたらそれはもう最高だ。
最高、だけれども。
おかしい。どう考えてもオカシイ。
万事屋が親切すぎる。
(……くそっ、何考えてんだあの野郎オオオオ!ベランダでいきなり半裸な事といい、ちったァこっちの心臓に配慮しろってんだ!いや俺はビビッてねーけど!?なんか裏があるんじゃねーかって至極冷静に疑ってるだけですけど!?)
ぬるま湯を出していたシャワーのコックを捻って冷水に変え、身体と頭を冷やしてから風呂場を出る。
万事屋が置いていったタオルでザッと身体を拭いて、さて襦袢をと思ったところで土方は目を瞬いた。
「……ん?」
黒の薄物が、無い。
真っ黒で日射熱を吸いやすいけれど、万事屋に粋だと言われた夏用の紗。
長襦袢と一緒に置いておいたはずなのだが、一体どこにいったのだろうか。
ひとまずポツンと残されていた白の長襦袢を纏いながら首を傾げる。
風呂場へ入った時は確かにここへ畳んでおいたのだから、タオルを置きに来た万事屋が代わりに持って行ったとしか考えられないのだが。
……一体、何のために。
意味がわからない。怪訝に眉を顰めながら、土方は脱衣場から台所を通りすぎて居間へと顔を覗かせた。
「オイ万事屋、俺の薄も……」
問いかけた口が途中で止まる。
唖然と声を失ったのが、おおよそ二秒。
目の前の光景が脳に到達するや、土方は声の限りに絶叫した。
「なに着てやがんだテメェェェエ!!」
「ちょ、オメー出てくんの早すぎんだろ!もうちょっとゆっくり浴びてこいやァァ!
万事屋が慌てた様子で言い返してくるのも、ろくに耳に入らない。
「てめっ、それ、俺の、何で……っ」
何故ならば、土方の探し物を万事屋が今まさに身に付けていたからだ。
(き……っ着てる着てる万事屋が俺の着物着てるううう!?え、何?なんで?ホワイ?)
パニックに陥って口を開閉させる土方に反して、万事屋は実にあっけらかんと頭を掻いてみせる。
「実は今日うっかり全部洗っちまって着るもんなくなっちまってよー。でも俺これから仕事なんだよね」
「は」
「そんなわけでコレ借りるな。いやー、長襦袢だけ箪笥に残ってて助かったぜ。ほら俺いつも洋装と重ね着してっから、襦袢あんまり着ないんだわ」
「いや、だから」
「じゃ、俺もう行かなきゃなんねーから」
「ちょ…………ちょっと待てェェェェ!!」
するり、脇を通り抜けて出て行こうとする万事屋に、辛うじて我に返った土方は必死の怒声を上げた。
「テメ、それ着てかれたら俺にどうしろっつーんだ!」
「あー、俺が戻ってくるまでウチに居てもいいぜ。しかたねーから休憩料はタダにしてやるよ。麦茶も一杯だけなら飲んでも許してやるから」
「なんで上から目線んんん!?」
万事屋は土方が完全に我に返る前にと思ったのか、適当な台詞を吐いて脱兎の如く玄関を飛び出していく。
「待……っ」
着物窃盗犯を追おうとした土方は玄関を出たところで、己が長襦袢一枚であること思い出して咄嗟に戸口の内側に引っ込んだ。
その僅かな間に鉄階段を降り切った男は、こちらを見上げてニヤリと笑う。
「じゃーな。ま、夕方には戻ってくるからよ」
「な……な……っ、今すぐ戻ってこいや腐れ天パァァァァァ!!」
屋内に足止めされた状態での怒声が、あの図太い男に響くはずもなく。
結局のところ、土方はそのまま万事屋に取り残されるはめになってしまった。
為す術もなく万事屋の背中を見送ってしまった土方は、よろよろと居間に戻ってソファにへたり込む。
ああ、とりあえず、麦茶を。
そんな現実逃避のような事を考えて、立ち上がりかけては、また座った。
俯いた視界に飛び込んでくる己の膝は、薄い麻の布地に頼りなく覆われている。
惚れた相手の……いや違う惚れてはないけど、他人の家で、長襦袢一枚で、ひとり。
何だコレ。
「お、落ち着かねぇぇぇ……!」
土方は低く呻いて、己の身体を抱き締めるようにしてソファで身を縮めたのだった。
ああチクショウ、居た堪れない。
はなから追剥をするつもりでにこやかに俺を招き入れたアイツの態度に、ふわふわぐるぐるしていた自分が。
――どうしようもなく、居た堪れない。
鬼の副長が他人の家のソファで重苦しい溜息を吐いていた、ちょうどその頃。
「なーんか……」
かぶき町の路上では、珍しくも墨色の着物を纏った万事屋銀ちゃんが、バリバリと首を掻きながら小さくぼやいていた。
「長襦袢一枚って……全裸よりエロくね?」
ただ着物を拝借するだけのつもりが思いがけずエロイものを見てしまった、と。
銀時は、野郎をエロイと評する感覚があった自分に、ほんのちょっぴり驚いていたのであった。
或る暑い、夏の日のお話。
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着物はベランダじゃなくて陰干ししなさいとか、突っ込んじゃダメです。